鳥取フリースクール「こ・ラボ」は、従来の学校区に縛られることなく、鳥取県全体、さらには山陰地域全体を「学びのフィールド」として捉えています。こ・ラボは単なる学びの場を超え、地域の資源を最大限に活かし、子どもたちの学びを広げる新しい教育の形を模索しています。今回は、その地域との関わり方や、こ・ラボが取り組んでいる地域の再定義についてご紹介します。
学校区を超えた「地域の再定義」
通常の学校では、学びのフィールドは学校区や教室の中に限られますが、こ・ラボではそれを大きく超えた視点で地域を捉えています。こ・ラボに通う子どもたちは、鳥取県全体、さらには山陰地方全体を一つの広大な教室と見なし、そこに広がる自然、文化、そして何より地域の人から学びを得ています。
これは「地域の再定義」ともいえるアプローチです。特定のエリアや学校区に縛られることなく、地域全体が学びの場となることで、子どもたちは多様な環境や人々との関わりを持ちながら、自らの興味を深め、成長していきます。地域での体験を通じて得る知識やスキルは、教科書では得られないリアルな学びであり、社会との接点を自然に育む場でもあります。
フリースクールの「ハードの弱さ」を超える学び
フリースクールの特徴として、一般の学校と比べると「ハード面」が非常に弱いことが挙げられます。設備や施設の規模、資金的な余裕が限られていることが多いのが現状です。しかし、こ・ラボはその弱点を強みに変えています。地域のリソースをフル活用することで独自の学びを展開しています。
例えば、こ・ラボでは専用のグラウンドや実験室はありませんが、代わりに地域のフィールドを活用した学びが行われます。大山や日本海、地域の畑は子どもたちの教室となり、自然体験、アクティビティー、農業体験が行われます。地域の企業や職人たちとの協力で、ものづくりやビジネスのリアルな現場を学びの一環として体験することができるのです。
こ・ラボがこうした「地域資源のフル活用」を行うことで、ハードに依存しない、柔軟で実践的な学びの形を提供しています。地域にある多様なリソースを活かすことで、子どもたちの学びのフィールドは限りなく広がりを見せます。
まとめ
鳥取フリースクール「こ・ラボ」は、地域の枠を超え、鳥取県全体、さらには山陰全体を「学びのフィールド」として再定義しています。ハード面が弱いというフリースクールの特徴を逆手に取り、地域資源をフルに活用することで、子どもたちに多様な学び、豊かな学びの環境を提供しています。
こ・ラボの学びは、地域との密接な関わりの中で成り立っており、教室の枠を超えた実践的で広がりのある学びを実現しています。地域と共に学び、地域に還元するという姿勢は、未来を担う子どもたちにとって、社会とのつながりや協力の大切さを教える貴重な経験となっているのです。
地域の再定義を通じて、こ・ラボの子どもたちは、未来に向けて新しい学びの形を模索し続けています。