はじめに:不登校支援の最前線にいる鳥取県
現在、日本全国で不登校の小中学生の数は約350,000人に上ります。統計を取り始めてから、不登校児童数は増加の一等を辿り、その伸びは他のどの自治体とも一線を画す現象となっています。そんな中で、全国でも最も先進的な不登校支援を行っているのが鳥取県です。フリースクールや教育支援センターへの支援、通学補助制度、学びの多様化を支える行政の積極的な取り組みなど、鳥取県の施策は全国一の手厚さを誇ります。なぜ鳥取県はこれほどまでに不登校支援を進めることができたのか?その理由をシリーズで探ります。
1. 「教育委員会認可制度」の創設 – フリースクール支援の大きな一歩
鳥取県の不登校支援を語るうえで欠かせないのが、「教育委員会認可制度」の導入です。これは、H27年の【教育機会確保法】の翌年より施行された取り組みです。法律に則り、従来の公教育の枠組を変え、フリースクールや学習支援施設に対する支援を本格的に行うために設立されました。
この制度の大きな特徴は、フリースクールを正式な「学びの場」として認め、県の教育行政が積極的に関与・支援している点です。日本ではフリースクールへの支援が遅れている自治体が多い中で、鳥取県は一歩も二歩も先を進め、子どもたちが安心して学べる環境を整えています。
